骨粗鬆症治療

各科のご紹介

1.骨粗鬆症とは

骨は、毎日、古い部分を分解・破壊し(骨吸収)、新しい骨をつくって(骨形成)生まれ変わっています。この骨の新陳代謝がうまくいかなくなると、骨がスカスカになり、骨粗鬆症になります。

正常な骨の場合

正常な骨では、骨吸収と、それを補う骨形成のバランスが保たれています。

骨粗鬆症骨の場合

骨吸収が骨形成を上回ると、骨粗鬆症になります。

2.骨粗鬆症になるとどうなるのか

骨折を起こしやすくなります。

骨粗鬆症を治療しないままでいた人で、1年以内に背骨(腰椎)を骨折した人たちの5人に1人は、最初の骨折から1年以内に2度目の骨折を起こしました。

骨折を起こしやすい骨は…
①腕の付け根(上腕骨頸部)
②背骨(腰椎)
③太ももの付け根(大腿骨近位部)
④手首(橈骨遠位端)
骨折を起こしやすい部位骨折を起こしやすい部位

3.食事療法

【骨を元気にする栄養素・食品】
カルシウム
骨に重要なカルシウムが多い食品:牛乳、ヨーグルト、小魚
カルシウムが多い食品カルシウムが多い食品
ビタミンK
骨の形成を助けて骨を強くするビタミンKが多い食品:納豆、ほうれん草、ブロッコリー、レタス
ビタミンKが多い食品ビタミンKが多い食品
ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるビタミンDが多い食品:鮭、干し椎茸、卵、キクラゲ
ビタミンDが多い食品ビタミンDが多い食品

4.運動療法

開眼片脚立ち(ダイナミックフラミンゴ療法)
目を開けて、一方の足を前に踏み出す感じで5cmほど床から浮かせる動きを左右1分間ずつ3セット、毎日繰り返して行います。
太ももの付け根の骨の骨密度の維持・改善、および転倒予防効果があると言われています。
スクワット
足を肩幅程度に開き、椅子に腰かけるようにお尻をゆっくり下して元に戻す運動を、深呼吸をするペースで5~6回繰り返します。これを1日3回行うと効果的です。
その他…
ウォーキング、ストレッチ、ラジオ体操、など

5.薬物療法

骨粗鬆症の治療薬には、
  • (1)骨吸収を抑制する薬
  • (2)骨形成を促進する薬
  • (3)骨代謝を調節
する薬があります。
★当院で採用している薬の一例★
(1)骨吸収を抑制する薬:骨が壊れるのを防ぐ薬
①ビスホスホネート製剤骨量を増加させ、骨折を予防します。
1週間に1回、起床時に服用するお薬です。
②抗RANKL抗体製剤骨量を増加させ、骨折を予防します。
6ヶ月に1回注射します。
③選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)骨に対して女性ホルモンと同様に作用し、骨吸収が起こりにくくなります。
1日1回1錠服用するお薬です。
(2)骨形成を促進する薬:骨をつくる薬
①副甲状腺ホルモン(PTH)製剤骨の新陳代謝を促し、新たな骨を作る作用があります。
・週1回通院して注射するタイプのお薬です。
 又は
・週に2回自己注射するタイプのお薬です。
※どちらも24ヶ月までで投与終了
②抗スクレロスチン抗体製剤骨吸収抑制作用もあり、骨をつくりながら骨が壊れるのを防ぎます。
月に1回の通院で注射します
※投与は基本的に12ヶ月で終了
(3)骨代謝を調節する薬:骨の栄養素となる薬
①ビタミンK2製剤骨のタンパク質を改善します。
1日3回服用するお薬です。
②活性型ビタミンD3製剤腸からのカルシウムの吸収を助けます。
1日1回服用するお薬です。
③カルシウム製剤
1日2~3回服用するお薬です。
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